梅梅
新年の御挨拶

平成二十二年 新年ご挨拶


衆議院議員 平沼 赳夫



  天皇陛下におかせられましては平成二十一年四月に御成婚五十年をお迎えになられ、十一月十二日に御即位二十年をお迎えになられましたこと心より寿ぎ奉り、天皇皇后両陛下の末永い御健勝と日本国の弥栄を乞い祈み奉ります。
私も御即位二十年奉祝祭典実行委員長として奉祝行事推進に汗を掻かせていただきました。東京だけでなく全国各地でも奉祝行事が催行され、多くの国民の皆様と心からの慶祝を申し上げさせていただくことが出来ましたことを心より感謝申し上げます。
本年は平城遷都から千三百年目にあたります。悠久の歴史に思いを寄せ、あらためて先人たちの足跡と遺勲を偲び、感謝の心を忘れてはならないと存じます。「恭敬」神仏や祖先を敬い、つつしむ思いというものを本年は特に大切にして参りたいと存じます。

平沼赳夫 新年の御挨拶 平成二十一年八月三十日施行の第四十五回衆議院議員総選挙において自民党、公明党は国民の信を失い下野しました。民主党は、「政権交代」ひとつだけを合言葉に圧勝し、社民党・国民新党とともに政権与党となりました。
 今度の衆議院総選挙において、私は再び無所属という立場で臨み、この国にまっとうな保守の第三極を構築し、日本の未来を確かなものにすることを目指して信念を同じくする保守系無所属「平沼グループ」の同志十七人と共に戦いましたが「民主・政権交代への風」の勢いは凄まじく、反民主票が自民党に流れたこともあって残念ながら私を含めて三名の当選にとどまりました。
 我が選挙区でも「風」は吹き荒れ、公示日わずか8日前に立候補した民主党候補が、同じ選挙区の前回選挙以来、年間二百五十日以上、地元を四年間回っていた自民党公認候補(中国ブロック比例一位)よりも得票数で上回りました。私は無所属ながら有権者の皆様の力強いご支援のお陰で十期目の当選を果たすことが出来ましたが、全国の同志の応援に回らせていただく中でも「風」の圧力をひしひしと感じました。
 選挙後に召集された国会において、城内実議員、小泉龍司議員ら無所属・平沼グループの衆議院での会派名は「国益と国民の生活を守る会」(略称:国守の会)といたしました。あくまでも保守の立場で引き続き全力で国政に取り組ませていただきます。
 残念なことは、選挙戦での各党のマニフェスト(政権公約)なるものが、スーパーのチラシ並みに、「利得誘導」のバーゲンセールに見えて仕方がなかったことです。特に政権を担当する民主党は「日本国家の安全と生存をどうするか」と云う、国家としての根本的課題を明示できていません。能天気で他力本願な「友愛」では国と国民は守れません。

選挙事務所にて家族と選挙期間中、私が地元に居たのは選挙初日と最終日だけでした。あとの10日間、延べ八千五百キロ全国の同志の応援に飛び回る中、個人演説会場や街頭演説などあらゆるところで常に触れ、強く懸念を訴え続けていたことがあります。
それは民主党が掲げる「マニフェスト(政権公約)」には書かれておらず、政策集である「インデックス2009」に列記されている様々な政策についてであります。ここには日本と日本人の尊厳に関して余りにも無責任かつ不遜な政策が列記されています。
 マニフェストでは、美辞麗句・大盤振る舞いをうたって利益誘導を行い、その実インデックス2009では、国や家族の絆やアイデンティティを破壊するような政策を並べている。これでは二枚舌と言われても仕方がありません。
なぜこれらの政策をマニフェストに書かないのか。これらを前面に出すと、無党派層や保守層からの票は入りません。そこで「看板」と「本音」を使い分ける、政権さえとってしまえば何とでもできると考えていたからだと思います。

 私はインデックス2009に列記されている、ある意味「国家解体政策」の存在こそ問題であり、日本の将来にとんでもない禍根を残す危険性があると思い、警鐘を鳴らして参りました。
 民主党は岡山三区に当初は「同じ反自民の立場で連携を期待する」として候補者擁立を見送るとしていましたが、公示の8日前に突然、公募候補(弁護士)を立ててきました。
 それは、私が民主党の「ありがたい配慮」に「感謝」して尻尾を振らなかったこと、他選挙区での民主党候補への支援や推薦に応じなかったこと、そして民主党インデックス2009に書かれている「裏マニフェスト」に対しての懸念の表明と批判をやめなかったからではないかと考えています。
私は日本の主権と日本人の安全と利益、父祖が築いてきた我が国の誇りある素晴らしい歴史・伝統・文化を蔑ろにするような政策を断じて見過すことは出来ません。

 民主党「インデックス2009」の中で私が問題ありと見ているのは次のような項目です。
●「国会図書館に恒久平和調査局を設置する国立国会図書館法の改正」
民族の歴史を否定され歪めて教えられ、あなたたちの先祖は極悪非道の犯罪者だと言い続けられて、若者たちが先祖や年長者に対する敬意や感謝の心を持てる道理がありません。国民に誇りと自信を失わせ、自分の国を愛さなくてよいという国家がどこにあるのか。日本政府の公式見解として未来永劫「謝罪外交」を続けるために「贖罪意識」の刷り込みを恒久化することを目的としているこれらの企てを見過すことは出来ません。
●靖国問題・国立追悼施設の建立
極東軍事裁判(東京裁判)の正当性自体、法学者の間にも「裁判の名にふさわしくなく、単なる一方的な復讐の儀式であり、全否定すべき」との意見があります。またいわゆる「戦犯」についても昭和27年(1952)12月9日に衆議院本会議で「戦争犯罪による受刑者の釈放等に関する決議」が可決され、翌年極東軍事裁判で戦犯として処刑された人々は「公務死」と認定され、名誉回復がなされています。つまり靖国神社をめぐる、「いわゆる戦犯合祀」問題はそもそもその根拠が無く、また古来よりの日本神道の祭祀において「分祀」はありえません。「いわゆる戦犯」なるものの存在を歴史的事実として認めること自体が、誇りある日本の歴史と靖国に鎮まれる御英霊の遺勲を否定し日本を未来永劫「侵略国家」「犯罪国家」として位置づける亡国思想にほかなりません。
●選択的夫婦別姓の早期実現
これは家族制度・婚姻制度・家庭そのものを崩壊させることにつながりかねません。これにあわせるように民主党内に「戸籍制度の廃止をめざす議員連盟」が発足したことも懸念されます。夫婦別姓は親子別姓につながります。一軒の家に住む家庭で、苗字がばらばらということも出てきます。そうなれば、もはや「一家」「一族」とは申せません。「先祖代々」という長い歴史と伝統と文化を持つ「家族」の否定になりかねません。お墓などの祖霊祭祀や外国人との婚姻問題も生じてくると思います。家族という単位を守り、先祖・当代・子孫という血のバトンを継承するためにも、戸籍制度・婚姻制度は守るべきです。
●日中関係のさらなる深化
「(前略)民主党と中国共産党との間で設置した「交流協議機構」を通じ、両党間の継続的な交流・協議を行い、信頼関係を一層緊密なものにします。」(民主党インデックス2009より)
友好と隷属は異なります。中国は共産党による一党独裁政権であり、共産主義・軍国主義を主体とする全体主義国家です。またチベット・ウイグル・トルキスタン・モンゴルでの民族弾圧や仏教やキリスト教などの宗教弾圧など人権無視の国内政策をとっています。現在も信仰を弾圧され、民族の歴史を破壊されていることに対して「中国国内の問題だ」と片付けてしまうことは、その弾圧に加担していることと同じです。また日本や台湾などへの内政干渉や領土侵犯なども頻繁に発生しています。「建設的な話し合いによる問題解決」が、一方的な譲歩や妥協であってはなりません。昨年12月、様々な問題や課題があるにもかかわらず、まともな審議や議論もないまま臨時国会を打ち切り、小沢一郎幹事長を団長とする国会議員143名をはじめとする600名以上の訪中団が北京に行きました。国家主席とのツーショットの写真を撮るために列をつくり、嬉々として写真に納まり、感激している民主党の国会議員諸君を見ていると「選良」という言葉が虚しくなります。彼らのその姿が米国はじめとする世界各国にどのような印象を与え、どけだけ国益と信用を失っているのか判っているのでしょうか。あなたたちは一体どこの国の国会議員なのか。民主党が中国に傾倒する余り、・中国共産党型民主主義を目指すことがないよう願うばかりです。
●国籍選択制度の見直し(重国籍容認)
「国籍」の重さとは、その国の民族の歴史・伝統・文化の重さに他ならないものだと思います。自国の歴史や伝統を知らず、尊重せず、誇りを持たない人々がおもちゃにして良いものではありません。
国籍を有するということは、その国に忠誠を誓い、いざと言う時には殉ずる覚悟を持つということです。都合の良いときだけどちらかの国籍を主張し、選挙権を行使し、国政を左右することなど許されません。国会において、何よりも重い「国籍」をあたかも住民サービスの一部のように取り扱うことなど断じて認められません。より慎重な対応が必要です。
●永住外国人の地方選挙権
「日本国憲法 第十五条 公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。」
 参政権は日本国民固有の権利です。永住外国人の方が参政権を行使するためには、ご自分の意思で日本国籍を取得し、日本に帰化し、日本人となること以外に道はありません。日本が法治国家である以上、これは当然守られねばならない大前提です。現行憲法下においては国政であれ、地方参政権であれ、外国人参政権付与は出来ません。明らかな憲法違反です。
 選挙権は単なる権利ではなく「国民の義務」でもあります。選挙権を有するということは国家の運命を同じくする国民として「国土と国益を守る義務」があるということに外なりません。それぞれの母国に忠誠を誓い、母国の国防の義務を有している以上、日本での参政権を有することは矛盾があります。
 永住外国人と協調していくことと参政権は別のものです。また納税の有無は選挙権付与の理由にはなりません。行政サービスや社会インフラの恩恵は、住民が等しく享受するものでその対価と捉えるべきものです。その論では納税していない人からは選挙権を剥奪しなければならなくなります。
また民主党は「外国人住民基本法」の成立に前向きとされていますが、これは日本に三年以上生活する全ての外国人には参政権を与え、五年以上居住する全ての外国人住民に「日本への永住権」を認めるという内容です。この外国人住民とは「在留資格、滞在期間その他在留に伴う条件の如何に関係なく、日本国籍を保持することなく、日本国内に在住する者」としており、不法滞在者や密入国者すらこれに含まれます。そして永住権を獲得した外国人は「いかなる理由をもっても追放されない」とされ、家族を呼び寄せ生活する権利を有するとまで規定されています。つまり日本国に対して忠誠も義務も負わない参政権を有する外国人コミュニティが日本全国の地方自治体に存在する可能性があります。逆に深刻な住民対立や差別につながることも懸念されます。また「全ての外国人」に適用されるこの法案によれば米軍関係者他国の外交官にも永住権や参政権が与えられることになります。
 千葉景子法務大臣は、大臣就任直後に虚偽申請による入国者に対し最高裁で在留資格なしとの判決が出た中国人姉妹に対し特別在留許可を与えています。司法よりも権力の座にいるものの感情や思想信条を優先する社会は、もう法治国家とは申せません。

 私はこのどれもが本来、このことを争点とした「国民投票」または「解散総選挙」を必要とするくらい日本の将来を左右する重要なことであると思います。それほど現在と未来に大きな禍根を残すものばかりなのです。
 民主党は口を開けば「マニフェストに書いてある以上、国民との約束」なので実行すると言っています。ではマニフェストに書いていないことまで、政権与党だからと言って数の論理で無理やり推進しようとするのは、公約違反とは言わないのでしょうか?
 民主党は大勝し政権についたことで「全権委任」を得たかのように、マニフェストに書いていない「インデックス2009」を次々と推進しようとしています。
 私はこのことを懸念していました。
バラマキ政策のマニフェストで選挙民の票を集め、政権与党になった瞬間に隠しておいた日本解体政策を推進する。有権者の皆様はこのようなことを期待して、実現を望んで、民主党に政権をゆだねておられるのでしょうか?
 また「陳情は全て『民主党』を通さねばならない」「民主党マニフェスト内容と反する政策は認められない」とする民主党の方針は、行政・司法・立法の三権の上に「党」をおき、憲法で国民全てに保障されている「請願する権利」すら無視する傲岸不遜なものであり、まさに民主主義とは異なる一党独裁にほかなりません。民主党は内閣法制局から「憲法解釈」権まで剥奪し、ときの内閣が憲法解釈を行うとしています。これは大変に危険なことです。自分たちの都合の良いように憲法解釈を歪曲できることになります。
 天皇陛下に対する岡田外務大臣の「自分の言葉で話すほうが良い」という不敬発言や、政府・民主党の決定に天皇陛下が従うことを当然とする越権発言を繰り返す小沢幹事長らによる中国要人へのご引見強要という明らかな政治利用のごり押しなど、到底に看過できるものではありません。強い憤りを覚えます。
 そして不思議なことに日本のマスコミは、これらの法案や民主党の独裁体制について批判したり、国民の皆様に広く知らしめ論議を啓発するということをしません。むしろ日本を貶め辱め国民生活を破壊することに加担し、推進するが如き報道ばかりです。それを何の疑いもなく受け入れたり、関心を持たなかったりする人が多いことが現状です。
 しかし私はあきらめません。政治の役割は、国民の生命・財産をしっかりと守り、安心して暮らせる日本を創ることです。日本人であることに誇りを持てる国を取り戻すことです。そのために私は政治生命をかけて取り組んで参ります。

 私は「北海道のヒグマ」として国民に愛された故中川一郎元農相の薫陶を受け、ご支援をいただいて代議士としての第一歩を踏み出しました。志半ばで不慮の死を遂げた中川先生の遺児であり後継者である中川昭一代議士とは、麻布高校の先輩後輩でもあり、兄弟同然のおつき合いをさせていただいて参りました。イタリア・ローマでの朦朧会見ばかりが強調されていますが、彼が提唱した様々な国際支援策は「史上最大の貢献」とまで評価されています。また真・保守政策研究会会長、拉致議連会長(二代)、教科書議連会長など中川昭一代議士は日本国の誇りと尊厳を守り、国益を最優先する真の保守政治家でした。まさに世界に通用する「日本のサムライ」であり、日本の保守を背負って立つ政治家でありました。ともに日本の保守再生のために力を尽そうと語り合っていた彼が、突然余りにも早い不幸な死を迎えたことが残念でなりません。心からのご冥福をご祈念申し上げるとともに、中川昭一代議士の志と無念をしっかりと胸に刻み、これからも真っ当な日本の保守再生になお一層邁進して参ります。

 真摯に日本の将来を憂い、悪法を許さないという断固とした信念を持っている多くの皆様からの真剣な声を頂戴いたしております。日本人は確実に覚醒しつつあると信じます。私はそのような心ある保守の人びとと共に、ごくあたり前の日本人が平和に安心して自由に暮らせる社会を守るために、倦まず弛まず諦めることなく行動して参ります。
「ブレない。媚びない。投げ出さない」保守政治を同志と共にこの国に打ち立てる、それが私に課せられた使命であると存じます。
 どうか皆様のお力をお貸し下さい。何卒よろしくお願い申し上げます。


平成二十二年 年頭揮毫
「恭敬」


平沼赳夫 ホームページ メインページへ

address お問合せはこちらまで
info@hiranuma.org

Copyright(c)2010 HIRANUMA office - All rights reserved