梅梅
新年の御挨拶

政治家としての原点に立ち戻る


衆議院議員 平沼 赳夫



 今上(きんじょう)陛下(へいか)におかれましては今年平成二十年に御即位二十年をお迎えになられますこと、心より寿ぎ奉ります。天皇皇后両陛下がいつまでもお健やかであらせられますことを衷心よりお祈り申し上げます。

photo ■ご心配をおかけいたしました
 平成十八年十二月に脳(のう)梗塞(こうそく)を発症(はっしょう)し、皆様には本当にご心配をおかけいたしました。退院後、通院治療とリハビリに努めて参りましたが、お蔭をもちまして無事平成十九年三月より公務復帰を果たすことが出来ました。あたたかい励(はげ)ましのお言葉やご声援を賜(たまわ)り、あらためまして心より厚く御礼申し上げます。
 実は以前より家族からも健康維持や食生活について再三(さいさん)注意をされていましたが、何しろ今まで病気らしい病気にかかったことがなく、なかなか真剣に受け止められませんでした。しかし今回の病気を通じて、我が身の不摂生(ふせっせい)で本当に多くの皆様にご迷惑やご心配をお掛けしたことで、つくづく思い知りました。これからは「一病息災(いちびょうそくさい)」で、二度とこのようなことがないように健康には十分注意を払って参る所存です。
photo そして健康を損ない入院治療を余儀(よぎ)なくされた日々を通じて、私の頭に常に浮かんで参りましたのは、政治家を志した原点でありました。それは自由と民主主義のもと、誇りある歴史や伝統文化、日本人の生命財産を守るために憲法改正を行い、国家百年の計(けい)として教育の正常化を実現すること、そして日本の国益を守る毅然(きぜん)とした外交を行うことであります。愛和と融和の伝統的な日本人の穏やかな生活を取り戻すことです。今までの二十数年の実績や経験などと言ったものや、知らず知らずに余計なことに囚われ縛られていたことを全てリセットして、日本と日本人の為にお役に立ちたいという思いと真正面から向き合うことが出来たように存じます。

photo■ワシントン訪問
 アメリカと北朝鮮の核問題を巡る協議を見ていると、北朝鮮側の十分な対応や譲歩を引き出すことなくアメリカが条件を緩和してテロ支援国家指定解除に踏み切りかねないことが懸念されます。同じようにテロ支援国指定をされているシリアやイランなどに核開発技術や兵器を提供している疑いが強い北朝鮮を優先して指定解除するなど理屈もなにもあったものではありません。北朝鮮の拉致問題もこのままでは「解決済」とされてしまうことにもなりかねません。そこで家族会・救う会・拉致(らち)議連で直接アメリカの議会人などに、安易な指定解除は日米の同盟関係に亀裂を生じさせかねないという懸念を強く訴え、国際的な連携と圧力で極東における北朝鮮の暴発を封じ込め、ひいては拉致問題などphotoの解決を図るべきだと伝えるための訪米団を結成し、私が団長を務めさせていただきました。強行軍ではありましたが、日本から超党派の議員団が上下院議員や政府要人に直接意見をぶつけるということが実は初めてであり、日本側の憂慮を大変強くアピールすることが出来ました。米国内にも米朝交渉を急ぎ過ぎているという考えの議員もいて、彼らと連携出来たことも心強いものがありました。
 また病後ということもあり、いささか不安もありましたが、多くの皆様の思いの中で無事訪米を終えることができたことに感謝申し上げるとともに、私自身も今後の活動への体力・気力に自信をつけさせていただきました。

■地方の活力の再生を
 いざなぎ景気を上回る好景気といくら言われても、地方には景気の回復はまだまだ及んでいません。年々可(か)処分(しょぶん)所得は減少しており、実感が全く伴(ともな)っていません。むしろ原油高の影響などもあって逆に中小企業を中心に大変厳しい状況ですらあります。このままでは地方の活力は衰退(すいたい)するばかりです。原油価格高騰への対応、地方の中小企業や生活者が実感できる景気回復、地域格差の是正(ぜせい)などに直ちに取り組む必要があります。
photo 平成の大合併も結果的に住民にとっては行政サービスの低下・負担増となっている部分も多く、また郵政民営化など「地方切り捨て」の影響もあり、特に中山間(ちゅうさんかん)地域や島嶼(とうしょ)部においては日常生活にまで支障が生じ、大変いやな言葉ですが「限界(げんかい)集落(しゅうらく)」が増えつつあります。私はこの「限界集落」という言葉自体に不快感を禁じ得ません。地方の過疎地に代々の土地を守って生きている人々に向かって「そんな不便な場所で生活することが悪い」と決め付ける呼び方のような気がしてなりません。
 そしてそのことによって日本の「農」とそれを支える地域の力が大きく損なわれていることに大きな危惧を覚えます。農林酪畜水産業は国の基です。日本全国の原風景、平野や山間に広がる水田や棚田、入江に浮かぶ漁船の姿は全て祖先が自然と共存しながら営々と築いてきた日本社会の姿です。経済本位、効率本位の世相の中で、日本の農林酪畜水産業とそれを支える地域の力が甚だ低下し、更に切り捨てられようとしていることに大きな危機感を抱きます。農山漁村の保全は、国土保全、環境保全と防災にも繋がる大変に重要なことです。また食料自給率向上は、国家として将来に備えて取り組むべき当然の責任です。また遠くない将来、いくらお金を出しても食料を輸入することが出来なくなる時代が来る可能性が現実に存在しています。食糧安全保障の意味においても農林酪畜水産業のしっかりとした基盤整備は重要な課題です。
photo また国民の生命と健康的な生活を守るためには、必ずしも採算がとれなくても切り捨ててはならないものがあります。国民の皆さんはそのために税金を負担し、政府の役割というものもそこにあります。公共性を軽視し金額抑制のみに目を向けた安易な法改正や改革は、本来政府が果たすべき公共の福祉の実現という使命を放棄することです。「何でも改革」「何でも民営化」「何でも平等に受益者負担」ではなく、特に医療分野や安全面は国民の健康に直結するだけに慎重な議論の積み重ねが必要です。何から何まで弱肉強食の米国型市場原理の導入では、本当に日本の国民の利益になるのかはなはだ疑問です。日本流の日本人のための医療制度は、しっかりと守らねばなりません。

■教育再生を
 今の日本全体の大きなテーマは「倫理」「道徳」であると存じます。親の子殺し、子の親殺し、利益のためなら平気で嘘をつき、弱いものをいじめて恥とも思わない目を覆うような非道な事件が溢れています。己の欲望の充足を何よりも優先する殺伐とした社会に堕しています。
photo 平成十八年八月特急列車内でレイプ事件がありました。同じ車両に約40人の乗客が乗り合わせていましたが、協力してレイプ犯を制止することも、車掌に連絡することすらありませんでした。犯人は平成十九年一月に別のレイプ事件で逮捕されました。八月の事件は取り調べの段階で発覚し再逮捕されました。それまで誰も警察に通報することもなく、犯人は何度も犯行を繰り返していたのです。それが今の日本であり日本人なのです。悲しくも恐ろしい現実です。なぜこのような世相になってしまったのでしょうか?
 今のこのような閉塞(へいそく)状態は、誰も責任を取らない自分中心主義、損得勘定がなによりも優先され、道徳心や宗教心の欠けた政治や教育、扇情的で偏向した報道の結果、素直に日本人としての誇りや愛国心を持てなくなっていることにも大きな原因があると思います。国を愛する心とは、風土や歴史や伝統を学び、祖先を敬い、誇りを持ち、同じときを共に過ごす人々を大切に思う心です。過去から現在、そして未来へと続く「人の血の繋(つな)がり」というバトンを継承する使命と喜びに気付くことです。それは保護された子供の状態から成長し、自らも人の「親」となる覚悟と自覚を身につけることだと思います。
photo 法律や規則や権利以前の本当に大切なもの、生命や自然への畏敬と感謝、利他愛、無私の心というものの存在を知ることが必要です。それは、宗教的道徳教育や、家庭がしっかりとした教育力を取り戻すことによって、はじめて感得することが出来るのだと考えます。
 日本の未来を守るため、次代を担う若い世代の健全な育成が急務です。
 そのためには私たち大人の世代が、子供たちから見てきちんとしたお手本であらねばなりません。素晴らしい日本の伝統、価値観を守るために、あらゆる努力を惜しまず継続することは、我々の責任であり義務です。

■健全な保守の再生を
 平成十九年の参議院選挙では、安倍内閣にとって誠に残念な結果となってしまいました。安倍総理は、憲法改正への道筋をつけ、教育基本法改正、防衛省昇格、国立追悼施設の棚上げ、皇室典範改悪の否定と短期間に目覚しい成果を挙げました。photo逆にそのことに危機感を募らせた勢力が、これら日本の将来に重要な問題から論点をずらし、年金問題などを異様に強調しあおりたて、安倍政治の成果を否定したことも、与党が選挙に勝てなかった大きな要因だったと思います。また単に年金問題や閣僚の失言だけではなく、いわゆる「改革路線」が地方格差の拡大や高齢者やサラリーマン世帯の著しい負担増や農業政策への不安など、いわゆる「地方」「弱者」の切り捨てになっているという政治への不信が根底にあると思います。
 しかし安倍総理の退陣の後遺症もあって、今の自民党の中の「日本の国益と日本人を守る」という真性保守の人々が発言しにくくなっていることに危惧を覚えます。このままでは自民党を本当に支えてくれていた保守層からも見放されることにもなりかねません。近隣諸国と仲良くするということは、けっして言いなりになることではありません。日本と日本人の為の憲法改正に、「近隣諸国の承諾」を得る必要がどこにあるのでしょうか。
 日本人の生命財産を守り、日本の国益を守り、毅然とした外交を行うこと、それは日本の国会議員であるならば政党の違いを超えて当然果たすべき責務だと思います。何よりも平和で落ち着いた生活を望んでおられる国民の皆様の思いに応えるためには、健全な保守の再建が必要だと思っています。政治情勢は流動的で先行きは不透明ですが、私はどんな立場になろうとも、保守再生に向かって行動して参ります。

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