梅梅
新年の御挨拶
photo 振り返ってみますと昨年は日本全土各地で台風、地震、噴火などによる自然災害が数多く発生した大変な一年でありました。過去に例を見ないほど度重なる台風の接近や上陸により、岡山県内を含む中国四国地方におきましても暴風や豪雨による大変大きな被害が発生いたしました。被害に遭われた皆様方に心からお見舞いを申し上げますとともに、防災対策や災害発生時の即応体制の整備充実、被災地域・被災者の皆様への迅速な生活再建支援などの必要性をあらためて強く認識し、これからも全力で取り組んで参る所存です。また新潟県中越地震の被災地の皆様が早く不安から解放され元の生活を取り戻されることを心よりご祈念いたします。

 昨年の参議院選挙において与党全体では絶対安定多数を確保したものの、結果として自民党は比例区において民主党に五百万票という大差をつけられるなど大変厳しい国民の審判が下されました。これは将来に対しての国民の皆様の不安、不信のあらわれであり、そのことを我々政治家は肝に銘じなければなりません。岡山県においても皆様方にも大変ご協力をいただきながら、自民党公認で現職の加藤紀文候補の議席確保を果たすことができなかったことは誠に残念であり、また申し訳なく存じております。

photo 北朝鮮による拉致はテロであり、国家犯罪です。そしてこの問題は決して遠い国のTVの中での出来事ではありません。我々の家族が拉致被害にあっていた可能性すら充分にある恐ろしい犯罪です。横田ご夫妻の娘さんの横田めぐみさんは二十八年前、中学一年一三歳の時にバトミントン部の練習の帰りに忽然と姿を消してしました。以来、横田ご夫妻は針のむしろに座るような気持ちで今日まで過ごしてこられました。その横田めぐみさんの安否に関して、北朝鮮は既に自殺をして亡くなっているといい、先日の協議の場で証拠として出してきた遺骨なるものは全くの別人しかも二人の骨を焼いたものであることが判明しました。北朝鮮の誠意なるものは一体どこにあるのでしょう。めぐみさんだけではありません、死亡または不明とされている人たちにも多くの生存説や証言があります。いろいろな状況証拠に照らして拉致された可能性の有る全ての「未帰還者」とその家族の方々の気持ちを思えば、日朝国交進展を大前提として安易に一部家族の帰国だけで手打ちをして全て事成れりということにしてはなりません。

 外交というのは硬軟使い分けることが鉄則です。もはやこれ以上、従来の「軟交」話し合いだけで北朝鮮から日本人を救出することは困難であると考えざるを得ません。既に外為法改正案が成立しました。これは北朝鮮に総連系から北朝鮮本国への不正な送金をストップ出来るという法律です。特定船舶入港禁止法案も成立しました。これは新潟港に来る万景峰(マンギョンボン)号だけでなく、年間約一千隻日本に来ている全て北朝鮮の船に対して、不正輸出、不正送金、にせ札、覚醒剤、麻薬などの問題も含めて怪しい船を特定して入港を禁止できるという法律です。この二つの法律を発効させることが即ち経済制裁につながります。

photo 昨年(平成十六年)末に訪米し米国の有識者と懇談した際にも、北朝鮮による拉致問題について意見交換をいたしました。核開発問題なども重要であるが不法拉致された人たちの救出を実現することこそが急務であるという点で意見が一致しました。米国議会においても昨年十月に「北朝鮮人権法」が成立しています。これは米国が北朝鮮に支援を行う条件として、北朝鮮が拉致した日本人や韓国人に関する情報をすべて開示し、拉致被害者が家族とともに生国に完全に帰国する自由を認めることを求める内容です。また加えて難民協約に違反して脱北者を北朝鮮に送還している中国政府に対しても、難民協約の遵守、脱北者と国連難民高等弁務官事務所の面会を認めるように強く求めて中国政府の対応を強く非難しています。従来、また今後中国政府によって送還される北朝鮮脱北者の中に拉致被害者やその家族が含まれている可能性がある以上、この問題に対しても日本政府は断固とした態度で臨むべきだと思います。

 国際社会と連携を図りながら、日本政府は今こそ「硬交」、即ち経済制裁という圧力を用いて拉致解決を迫るべきです。拉致解決なくして日朝国交正常化はありません。私が会長を務めさせていただいている拉致議連は、そもそも被害家族の皆様方の為に存在しています。何よりも守るべきは日本人の生命と権利です。その原点をしっかりと墨守して今後も行動して参りたいと存じます。

photo これからの日本の政治には大きな流れが出てきます。そこには政治の原点にかかわる、ふたつのキーワードがあります。一つは「憲法」、もう一つは、「教育基本法」です。政局、政界再編が起こるとしたら、国家の存立に根元的な意味を持つこのふたつの問題に関わるエネルギーの流れが根源となると考えられます。

 今年平成十七年は昭和二十年八月の敗戦から六十年目にあたります。戦後日本人は自国の生存と安全を他国に依存してきました。そのつけが今やって来ていると言っても過言ではありません。憲法の前文には「平和を愛する諸国民の、公正と信義に信頼して、我らの生存と安全を保持しようと決意した」と書いてあります。確かに立派な言葉です。しかしこの六十年間、現在の国際社会において「平和を愛する諸国民の公正と信義」がはたして存在しているかという疑問があります。残念ながら憲法の前文に書いてあるような状態ではなく現実に存在しているのは、自国の利益と自国のエゴを追求するその権力とその行使とその横暴でしかありません。

 教育基本法の前文には「日本国憲法の精神に基づいてこの教育基本法を制定する」と書いてあります。憲法と教育基本法は不可分であり、表裏一体のものです。現行の教育基本法ではとりわけ個人の尊厳というものが特に強調されています。個人の尊厳を守るという事は大切なことですが、それに対しての無限定の価値を認めて、そこに一定の守るべき規約、規範があるということが捨象されてしまった観があります。そして我々が暮らすこの日本の大切な歴史や伝統や文化、あるいは家族、家族の結びつき、こういう大切なものがなおざりにされています。自分の国の歴史、伝統、文化に誇りが持てない教育はまさに国を滅ぼすだけでなく、他の国の人々の誇りや尊厳に対して敬意を払う術を知らない国際感覚に欠けた人を作り出してしまうことにもなります。まさに亡国への道です。

photo 私は日本が本当に独立国として国際社会と対等な関わりを持ち責任を果たすためと、我が国古来の素晴らしい歴史や伝統、文化を守り後世に伝えてゆくためには、占領下という異常な状況で急造された「占領統治法」的な側面を持っている現行憲法の矛盾点を根本から見直す必要があるとの信念を持っています。我が国の現在大問題となっている様々な荒廃や制度面・社会面での行き詰まりは、法治国家である以上、その大本である憲法に必ず遠因が存在します。憲法があって人間社会が存在するのではありません。人間社会のために憲法は存在しているのです。憲法を「聖典」化して変革を忌避し、現実から目を背けてしまうことは本末転倒です。激しく動いている時代に適応し、将来へ向かっての指針となる明確な理念が求められています。教育基本法もまたしかりです。

 この二つのキーワードに対してきちんとしたビジョンを国民の皆様に提示して、何よりも日本国の伝統や文化、日本国民の生命、財産、権利、教育は日本自身の手で守るのだという明確なメッセージと位置づけを確立させ、今こそ未来を確かなものにするための方向性と座標軸をはっきりとさせる必要があります。

 早いもので国政の場に出させていただいてから今年六月で満二十五年になります。今日までお皆様に育ていただいた経験と実績を存分に活かし、私の座右の銘「天命を信じて人事を尽くす」の如く「天命」を信じて、愛する祖国日本のため、郷土岡山のため、何よりも未来を託す子供たちのために、与えられた使命を果たすべく全身全霊をあげて邁進して参ります。ご叱正のほど、心よりお願い申し上げます。

平成17年(2005) 初春
自由民主党岡山県第三選挙区支部長 衆議院議員 平沼 赳夫

address お問合せはこちらまで
info@hiranuma.org

Copyright(c)2000 HIRANUMA office - All rights reserved